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2016年8月号

研究者同士でMascotの検索結果を共有・交換できるPSIの「mzTab」ファイルについてご説明します。

Mascotを利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技は、負イオンの質量データに対するMascot検索についてご説明します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

HUPO 2016
mzTabファイルの出力
Mascot を利用した論文の紹介
今月の小技
 

HUPO 2016 in 台北

9/18〜9/22に台北で開催される第15回Human Proteome Organization World Congress(HUPO 2016)に出展します。ブース番号は23です。気軽にお立ち寄りください。

Taipei

mzTabファイルの出力

Mascot Serverは、検索結果を様々な書式で ファイル出力する機能 を備えています。Mascot 2.5で追加した「mzTab」は Proteomics Standards Initiative で開発された書式で、tab区切りのテキストで構成されたファイルですので、軽くて取扱が簡便です。

mzTab は mzIdentML と同じ管理語彙を共有していますが、XML書式の mzIdentML と違って表形式であり、同定と定量のデータを含むことができますので、そのままスプレッドシートに貼り付けることができます。

mzTab ファイルは「メタデータ」セクションと「4つのオプション(Proteins、Peptide Spectrum Matches:PSM、Peptides、Small molecules)」セクションで構成されています。また、「メタデータ」セクションの中でファイルタイプ(IdentificationとQuantificationの2種類)及びモード(SummaryとCompleteの2種類)を指定します。

mzTab は、複数の検索エンジンからの結果を統合した「統合検索結果」をサポートしています。Mascot Server 2.5はmzTabファイル出力をサポートした最初の検索エンジンであり、同定情報および定量情報の両方の出力をサポートしています。されに詳しい説明は ブログ をご覧ください。

mzTab

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。.

 

Approach for identifying HLA-DR bound peptides from scarce clinical samples

Tina Heyder, Maxie Kohler, Nataliya K. Tarasova, Sabrina Haag, Dorothea Rutishauser, Natalia V Rivera, Charlotta Sandin, Sohel Mia, Vivianne Malmstrom, Asa M. Wheelock, Jan Wahlstrom, Rikard Holmdahl, Anders Eklund, Roman A. Zubarev, Johan Grunewald and Anders Jimmy Ytterberg

Molecular & Cellular Proteomics (2016) published online July 24, 2016

In the field of immunopeptidomics, large numbers of cells are often required due to the complexity of the samples and the limitations of the methods. Here the authors have developed an improved method for the identification of HLA-DR bound peptides from low cell numbers.

The authors used cell populations consisting of Epstein-Barr-immortalized B cells and broncoalveolar lavage cells obtained from patients with sarcoidosis. The optimized approach included cell lysis, immunoprecipitation of HLA-DR, elution of HLA-DR bound peptides, desalting and peptide concentration, and identification by mass spectrometry followed by peptide filtering.

This resulted in the identification of 507 peptides (from 75 proteins) in the EBV-B cells and 1,434 peptides (from 215 proteins) in the BAL samples with an average yield of 10.1 peptides/million cells. This yield represents a 1 to 2 order of magnitude improvement over previous studies.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

ずいぶんと前の話になりますが、2005年にリリースしたMascot Server 2.1で負イオン質量データに対する検索をサポートしました。この時は、この機能をご利用になるお客様はあまりいらっしゃらないだろうと思いましたが、負イオンモード測定と光解離技術を組み合わせることによってこれまでとは違った情報が得られる可能性が出てきました。

Mascotに投入できる負イオン質量データファイルの書式は、たとえばMGFファイルを例にとりますと、電荷の値を「CHARGE=2+」ではなく「CHARGE=2-」のように表現する以外は、正イオン質量データファイルのそれと同じです。従いまして、質量分析計に付属するデータ解析ソフトウェアが電荷の値を正しくピークリストに出力できれば余計な処理は必要なく、そのままMascotで使用することができます。もし、この出力内容に問題があるようであれば Mascot Distiller をお試しください。

質量分析計のタイプにより生成するイオンシリーズは異なりますので、場合によっては新しい「Insterumet」タイプ(検索するイオンシリーズの組み合わせ表)を定義する必要がるかもしれません。例えば、負イオンモードのETDでは「a」と「x」のタイプのイオンシリーズが生成しますが、「a」タイプに関しては、(通常の検索で使用している)陽子が脱離した状態ではなく、電子が付加した状態になっていますので、通常の「a」タイプのイオンシリーズを仮定して検索してもうまくマッチしません。フラグメンテーションの際に電子が付加する状況を表現するような工夫が必要になります。たとえば、プリカーサイオンに質量がゼロの修飾を与え、フラグメンテーションの際にマイナス1個分のHがニュートラルロスすると考えて、N末端に対して「H(-1)」のニュートラルロスを持つ「C H(6) N(-7) O(5)」の修飾を指定して検索を行うと適切にマッチします。

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