英語のWeb版はここをクリックしてください   日本語のWeb版はここをクリックしてください

newsletter banner

2017年12月号

−SHのアルキル化にヨウ素アセトアミドまたはヨウ素酢酸をお使いなら、それを再考する積極的な理由があります。

Mascotを利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技では、複数走っているMascot検索プロセスの優先順位の変更方法と検索プロセスの強制終了操作についてご説明します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

アルキル化にご用心
今月の論文
今月の小技
 

アルキル化にご用心

アルキル化試薬としてのヨードアセトアミド(IAA)は取り扱いが簡便であり、右図のように、文献には最も頻繁に登場します。しかしながら、アミノ酸のヘテロ原子には求核特性がありますので、ヨウ素を含む試薬は全てのアミノ酸に対してアルキル化を引き起こす可能性があります。特に、ゲル内消化サンプルに対して化学量論を越える量を使用した場合は注意が必要です。

検索条件として「Carbamidomethyl (C)」だけを考慮した場合、同定されなかったPSM(Peptide-Spectrum Match:MS2スペクトルにマッチしたペプチド)が多数存在している可能性があります。逆に、これを避けるために他の残基やN末端に対する「Carbamidomethyl(Y,T,S,E,H,D,K,N-term)」の修飾を考慮すれば、(1) 検索空間の広がり(検索時間が長くなり感度(Sensitivity:Positiveなペプチド補足率)が落ちる)と、(2) ペプチドのSN比の低下(ひとつのペプチドが修飾の質量差を持った複数のプリカーサとして検出され、信号強度が分散する)を引き起こすことになり、見通しが悪くなります。特に、定量解析においてはSN比の低下は誤差の原因となる可能性がありますので厄介です。

ヨウ素を含まないアルキル化試薬に切り替えればこのような問題に対処することができます。詳しくは次の ブログ をご覧ください。

alkylation reagents

Mascotを利用した今月の論文

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Impact of Detergents on Membrane Protein Complex Isolation

Yu-Chen Lee, Jenny Arnling Baath, Ryan M. Bastle, Sonali Bhattacharjee, Mary Jo Cantoria, Mark Dornan, Enrique Gamero-Estevez, Lenzie Ford, Lenka Halova, Jennifer Kernan, Charlotte Kurten, Siran Li, Jerahme Martinez, Nalani Sachan, Medoune Sarr, Xiwei Shan, Nandhitha Subramanian, Keith Rivera, Darryl Pappin, and Sue-Hwa Lin

Journal of Proteome Research, published online November 7, 2017

Detergents play an important role in the isolation of membrane protein complexes, affecting the native folding of the proteins, their binding to antibodies, and their interaction with partner proteins. In this paper, the authors investigated the effect of several commonly used detergents on Cad11 protein complex solubilization and coimmunoprecipitation.

Antibody pull-downs of the complex, coupled with iTRAQ quantitation, were used to determine the associating proteins. Seven detergents were examined and the authors found variations in the association of certain proteins with Cad11 depending on the detergents used.

DDM and Triton X-100 were found to be more efficient in solubilization and immunoprecipitation of Cad11 and provided 40 new candidate Cad11-interacting proteins. The authors suggest that using a panel of detergents may lead to a more comprehensive view of the composition of complexes.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

データベースとMascot検索プロセスの状況はDatabase Status(MASCOT search status page)ページで確認することができます。ただ、各データベースブロックの情報や[Search log]リンクなどは直感的に使い方などがわかりますが、Mascot検索プロセスの管理方法などはわかりにくいと思いますので詳しくご説明いたします。

たとえばNCBIprotのような大きなデータベースを使った重たい検索と、検索結果を早く見たい複数の軽い検索を同時に実行したと思ってください。[Status]行が「In use」になっているNCBIprotブロックの[Name]行にある「NCBIprot」リンクをクリックすると現在走っているMascot検索プロセスがリスト表示されます。さらにJob番号リンクをクリックすると、その検索プロセスの詳細情報が表示されます。このジョブの検索優先順は[Priority]の値(-5 -1 +1 +5)で調整することができます。マイナス側の数値が低い優先度に対応します。実際にはシステムコマンドの「nice」に準拠していますので-20から+20の値を使えますが、より細かい数値はMascotのコマンド「C:¥inetpub¥mascot¥bin¥ms-searchcontrol.exe」で指定することができます。詳しい指定方法につきましては英文マニュアルの「SearchControl」項をご覧ください。

検索プロセスを一時停止させたい場合は[Priority]の「Pause」をクリックしてください。「Pause」したプロセスは忘れずに「Resume」で再開してください。

もうこれ以上走らせたままにしておきたくない検索プロセスは「kill」リンクをクリックして強制終了させることができます。

webcast course ページに資料を用意してありますのでご利用ください。

Configuration Editor

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-10 ARTビル1F

info-jp@matrixscience.com

電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

 

Matrix Science logo

Matrix Science Ltd, 64 Baker Street, London W1U 7GB, UK
T +44 (0)20 7486 1050  F +44 (0)20 7224 1344  E info@matrixscience.com
 

View in a web browser Forward to a colleague Unsubscribe