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2018年1月号

異なるPCから起動した「複数のMascot Daemon」は「ひとつのタスクデータベース」を共有することができます。つまり、どのMascot Daemonからでも同じタスクにアクセスすることができます。設定方法をご説明します。

「Mascot を利用した論文の紹介」では、2DクロマトグラフィーとSRMを組み合わせてペプチドバイオマーカーを検出・検証する手法を開発し、卵巣癌に適用した例を取り上げました。お客様が取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。

今月の小技では「Uniprot Proteomes」をご紹介します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

タスクデータベースの共有
Mascotを利用した論文の紹介
今月の小技
 

Mascot Daemonのタスクデータベースの共有

複数の質量分析計システムから出力される質量データを複数のMascot Daemonを使って処理しているような研究室では、Mascot Daemonのタスクデータベースを共有して一元管理するととても便利かも知れません。デフォルト設定では、Mascot Daemonは指定されたひとつのタスクデータベースを持ち、そこにタスク(検索条件や検索結果などの情報)を格納します。つまりMascot Daemonとタスクデータベースは1対1の関係になっていますが、デフォルト設定を変更して、N対1、すなわち複数のMascot Damonでひとつのタスクデータベースを共有させることもできます。全てのタスクに全てのMascot Daemonからアクセスできるようになります。ただし、タスクの所有者はそれを実行したMascot Daemonであり、所有者だけがタスクの一時停止やキャンセル操作を行うことができます。

デフォルト設定ではスタンドアロン型のデータベースエンジンであるVistaDBに接続していますが、これをMySQL、PostgreSQL、SQL Server、Oracleなどのサーバ型のデータベースエンジンに変更し、タスクデータベースを共有できる環境を準備してください。Mascot Daemonには、既存のタスクデータベースを他のデータベースエンジンでもそのまま使用できるようにするためのインポート/エクスポート機能があります。設定方法についてはMascot Daemonのヘルプページ(メニューバー[Help]→[Mascot Daemon Help]→[Getting Started]→[Database Engines])をご覧ください。

また、Mascot Daemon 2.6では、タスクを別のタスクが完了した後に開始するように設定できる機能を実装しました。たとえば、タスク1の完了後にタスク2を実行し、タスク2の完了後にタスク3を実行するというように、タスクの緊急性や重要度に応じて実行順位を構成することができます。Mascot Daemonの[Task Editor]タブの[Schedule]ブロックにある[Start on completion of]をお試しください。

詳しくは ブログ「Using a shared TaskDB with Mascot Daemon」をご覧ください

shared databases

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Selected reaction monitoring approach for validating peptide biomarkers

Qing Wang, Ming Zhang, Tyler Tomita, Joshua T. Vogelstein, Shibin Zhou, Nickolas Papadopoulos, Kenneth W. Kinzler, and Bert Vogelstein

PNAS 2017 114 (51) 13519-13524; published online December 4, 2017

The authors have developed a selected reaction monitoring (SRM)-based method for the discovery and validation of peptide biomarkers for ovarian cancer. It utilizes multiple steps of fractionation and separation as well as synthesis of target peptides, and they call it "sequential analysis of fractionated eluates" - SAFE-SRM.

The study was executed in three phases

  • Phase 1, global proteomic profiling of plasma samples from cancer patients and healthy individuals, yielding 641 candidate peptide markers from 188 genes
  • Phase 2, implementation of a SRM-based assay to evaluate each of the 641 candidate peptide markers in additional plasma samples, yielding two peptides from peptidyl-prolyl cis-trans isomerase A as promising biomarkers
  • Phase 3, evaluation of the performance of these two peptides in an independent set of cancer patients and controls using SAFE-SRM.

To provide validation a separate cohort of 73 cases, consisting of plasma from 35 ovarian cancer cases and 38 samples from healthy individuals or patients with other cancer types, was tested against the two PIPA peptides. Twenty (57.1%; 95% CI, 40-73%) of the 35 plasma samples from ovarian cancer cases scored positive for one or both of these peptides. None of the 14 samples from normal individuals scored positive.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

SwissProtのfastaファイルには代表タンパク質のアミノ酸配列が登録されており、isoformなタンパク質はアノテーション情報としてfastaファイルと対になるdatファイルに格納されていますので、isoformなタンパク質はMascotの検索対象にはなりません。もし、特定の生物種に対してisoformなタンパク質もMascot検索したい場合は「Uniprot Proteomes」のページで興味対象の生物種を検索し、そのfastaファイルをダウンロードしてお使いください。セットアップ方法はMascot Serverのヘルプページ「Sequence database setup: UniProt proteomes」をご覧ください。「Oryza sativa」を例にとって説明しています。

具体的にHumanの例で見てみますと、2017年12月版の「SwissProt」のエントリ数は20,245件ですが、「Uniprot Proteomes」では3.5倍の71,785件です。追加分の5万件のエントリーは「Trembl」の14万件のエントリーから選択されています(選択基準に関してはUniProtのヘルプページの「What is proteomes?」をご覧ください)。「FASTA (canonical & isoform)」の条件でfastaファイルをダウンロードするとエントリ数はさらに2万件以上増加し93,799件になりますのでより精密な検索結果が得られる可能性が高くなります。試しにPrideプロジェクトの「PXD001468(HEK293細胞由来)」のデータを使ってFDR=1%の条件で抽出した、配列が異なるペプチド数を比較すると、「SwissProt」の102,206件に対して「Uniprot Proteomes」では105,140件となり、3千件ほど多くなります。お客様のデータでお試しください。

Reference proteomes

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