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2019年1月号
平成最後の新年あけまして
おめでとうございます

 「今月のブログ」では、いくつか存在する「1Da修飾」を見分けるヒントを紹介します。

 「今月の論文」では、未同定の修飾を検出・同定するための検索手順を検討した研究例をご紹介します。

 「今月の小技」では、Protein Family Summaryページの「Report Builder」の使い方をご説明します。

 Mascotニューズレターの バックナンバーはこのページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

今月のトピックス

1Da修飾を見分ける
未同定修飾の同定
Protein Builder
 

今月のブログ:1Da修飾を見分ける

 質量が1Da増加したペプチドを想像してください。修飾によって質量が1Da増加したと仮定するとその修飾は何でしょうか? 右の表は質量差1Da近傍の修飾と13Cの質量です。

 まずはピーク抽出ソフトウェアが間違えて12Cではなく13Cのピークを抽出した可能性もありますので検証しておきましょう。13C=1.003355ですので、たとえば脱アミド化修飾(Deamidation)=0.984016と比べると、質量1500においてそれらの差は約13ppmとなり、最新の質量分析計であれば互いに見分けることができます。また、脱アミド化修飾であればMS/MSスペクトルに+1Daのプロダクトイオンピークが存在します。とは言え、修飾アミノ酸がN末端付近に存在し、主なプロダクトイオンがyイオンの場合は観測できるピークが少なくなりますので見分けがつきにくくなります。

 脱アミド化とシトルリン化(アルギニン)は質量差が同じですので、両者を見分けるためには修飾サイト分析、イソシアン酸のニュートラルロスやシトルリンのインモニウムイオンの存在解析、参照スペクトルとの比較などを組み合わせて総合的に検討する必要があります。

 Error Tolerant検索を実行すると、検索結果には質量差が0.997035Daの「Label:15N(1)」が頻出します。その取り扱いに関しては2017年11月のニューズレターで取り上げましたが、今回の話題と併せて ブログ にまとめましたのでご覧ください。

deltas of nominal mass 1 Da

今月の論文:未同定修飾の同定

 最近出版された「Functional Protemics」から、未同定の修飾を検出・同定するための手順を検討した研究例を取り上げました。Hela細胞の細胞質分画サンプル由来の質量データに対して実施した実験的なワークフローが詳しく説明されています。特に修飾指定検索、Error tolerant検索、Mass tolerant検索の設定内容や、還元/アルキル化処理による副反応の影響を受けたと思われるペプチドの同定状況(右図)は参考になると思います。
 Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。.

 

Identification of Unexpected Protein Modifications by Mass Spectrometry-Based Proteomics

Shiva Ahmadi and Dominic Winter

In: Wang X., Kuruc M. (eds) Functional Proteomics. Methods in Molecular Biology, vol 1871. Humana Press, New York, NY

The authors provide a strategy for the discovery of unexpected modifications in complex samples by bottom-up LC-MS/ MS. While expected modifications are readily identified by selecting them as variable modifications, the identification of unknown modifications is less straightforward and requires further data analysis and validation.

They describe in great detail an experimental workflow which includes:

  1. Parallel searches for the identification of known modifications at unexpected amino acids
  2. Error tolerant searches for modifications unexpected in the sample but known to the community
  3. Mass tolerant searches to discover novel modifications.

Additionally, they suggest follow-up verification of identified modifications in the initial dataset and targeted experiments using synthetic peptides.

Procedures were illustrated by analysing a cytosolic fraction of HeLa cells. With LC/MS/MS, the authors identified and quantified a large number of side reactions by monomers and dimers of the alkylation reagents (see figure at right). They also determined that alkylation of peptides with iodine-containing reagents results in a loss of the side chain of methionine. Some 22 notes provide helpful tips on sample preparation, data acquisition, and data processing.

Thumbnail from featured publication

今月の小技:Report Builder

 Protein Family Summaryページの「Report Builder」は、タンパク質ヒットリスト表を作成・CSV出力するための便利ツールです。表示項目や表示条件を組み合わせてお客様のお好みに応じた表を作成することができますので、実際の検索結果ファイルを使って操作方法等をご説明します。

(1) ここ をクリックしてiTRAQ 8plexの検索結果を表示してください。[Sensitivity and FDR (reversed protein sequences]をクリックして展開し、[PSMs]をクリックして「Sequences」を選択し、[Adjust to]の右のリストから「1%」を選択して[Adjust to]ボタンを押し、ページが再表示された後に[Report Builder]タブをクリックしてください。

(2) ユニークで優位なペプチドが2つ以上が帰属するタンパク質を残すために、[Filters]をクリックして展開し、[Family]をクリックして「Num. of significant unique sequences」を選択して「> 1」に設定し、[Filter]ボタンを押してください。処理が進行し、指定条件にマッチした268個のタンパク質がリストされます。

(3) 表示項目とその順番を変更するために[Columns]をクリックして展開し、[Arrangement]右のリストから「<custom>」を選択してください。

(4) 左側の[Enabled]表からcontrolキーを押しながら「emPAI」と「Description」を選択し、[→]ボタンで右側の[Available]表に移動してください。

(5) 右側の[Available]表の[114/113]ブロックから、controlキーを押しながら「114/113」と「Number of peptide (114/113)」を選択してください。さらに他の[*/113]ブロックからも同様の項目を選択し、[←]ボタンで[Enabled]表に移動してください。[Apply]ボタンを押すと[Enable]表の内容が反映されたタンパク質リストが表示されます。

(6) 表示項目の順番を変更する場合は[Columns]の[Enabled]表から対応する項目をクリックして選択し、[↑]と[↓]ボタンで調整してください。

 併せて ヘルプページ もご覧ください。

Report builder control

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