2023年5月号

来たる6月にテキサス州ヒューストンで開催されるASMS Conferenceにて、皆様にお会いできることを楽しみにしております。また、展示ブース#726にもお立ち寄りください。

ASMSでMascotを使ってポスターやトークを発表される方は、是非タイトルやポスター・トーク番号をお送りください。ニューズレターやSNSで紹介させていただきます。

今月の論文は、ヘビ毒の迅速な特性解析のための自動化ワークフローに関する研究です。

今月のブログは、クラウドコンピューティングでMASCOTを始める時の注意点についてです。

Mascotニューズレターのバックナンバーはこのページ(英語版日本語版)からご覧いただけます。ご一読の上、ご意見・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ASMSでの活動内容

テキサス州ヒューストンで開催されるASMS にて、6月5日(月)7:00~8:00にユーザーミーティングを開催いたします。講演内容は以下の通りです。

  • Connecting the Prots: Analyzing crosslinked data in a core lab using Mascot – Professor Susan Weintraub, University of Texas Health Science Center at San Antonio
  • Single cell proteomics with Mascot – Patrick Emery, Matrix Science
  • 25 years of Matrix Science – Ville Koskinen, Matrix Science

朝食が提供されます。参加は無料ですが事前登録が必要です。弊社ウェブサイトからご登録ください

ハイスループットベノミクス

High-Throughput Venomics

Julien Slagboom, Rico J. E. Derks, Raya Sadighi, Govert W. Somsen, Chris Ulens, Nicholas R. Casewell, and Jeroen Kool

J. Proteome Res. 2023, published online: April 3, 2023

蛇に咬まれるということは普通の人にとってそうそうめったに起きる事ではありませんが、安価で効果的な解毒剤が利用できない事で年間138,000人が死亡しています。著者らは次世代の解毒剤の開発を支援するため、医療に関連するヘビ毒の毒素組成を決定する自動プロファイリング手順の最適化と検証を行いました。

毒の成分は最初にLC分離を行いますが、その際UVを使って半定量を行います。次にインタクトな質量分析を行って暫定的な毒素クラスを提示します。LCはフロースプリットされ、溶出した毒物タンパク質を分画し、乾燥後ロボットの処理でトリプシン消化されます。消化物を高速グラジエントでLC-MS/MSする事で、1日あたり100回の測定が可能で、2日以内に1匹の蛇毒の完全なプロテオーム解析が可能となりました。

Mascot Daemonを使用すると、データベース検索とタンパク質の同定を自動化する事ができます。検索後、データのコンパイルと特定項目による並び替えを行うため一連のRスクリプトを実行します。またこのスクリプトを使って、いわゆるPSC(Protein Score Chromatogram)を作成し、保持時間をX軸、タンパク質スコアをY軸としたプロットを出力します。PSCプロットのピークは統合され、毒素の半定量が行われるとともにインタクトな質量分析データと関連付けられます。

著者らは11種のデータを示しながら、新しいワークフローがこれまでの文献に記載されている他のベノミクスアプローチよりも桁違いに高速であると結論付けています。

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

Mascotをクラウド上で運用する

Illustration for Mascot Tip

Mascot Serverはサーバーアプリケーションであり、クラウド環境での導入は難しくありません。Mascotはクラウドで運用すべきなのでしょうか?結論から言えばその答えは「場合による」となります。この話の前提条件として、まずはクラウドサービスを大きく2つに分けて考えます:SaaS(Software as a Service)とIaaS(Infrastructure as a Service)です。

SaaS(Software as a Service)は様々なWEBベースのサービスにとって優れたサービス提供モデルです。特に、ユーザーあたりのリソース使用が比較的少ない場合やユーザー固有のカスタマイズの必要性がほとんどない場合、使用状況に応じた料金システムを提供可能で、多数の潜在ユーザーを持つ事ができます。しかしMascotでもSaaSモデルでのサービス提供は行っていません。一般的にプロテオミクスの利用にはSaaSモデルが適していないと言えます。各ステップにおいてハードウェア利用の想定に大きなばらつきがあるためです。例えばファイルサイズで言えば、RawファイルやMGFファイルのサイズについて小さいものから数ギガバイトに及ぶものまであります。1回の実験から得られた結果ファイル数は、1つの時もあれば数十個の時も事もあります。データベースも小さいものから非常に大きなものまでさまざまであり、検索期間を予測する事は非常に困難です。サービスを利用するために準備するハードウェアリソースの使用に関する予測が難しく、リソースが必要なケースに備えると運用費が非常に高額になるという問題があります。

一方、Infrastructure as a Serviceは、Mascot Serverにとって相性の良いサービスと言えます。物理的なハードウェアを購入してメンテナンスをする代わりに、必要なときにボタンをクリックするだけで32vCPUの仮想マシンでもクラウド上に設置する事ができるのです。仮想CPU、RAM、ディスクに関するシステム要件は、一般的なハードウェア上における仮想環境におけるそれと基本的に同じです。パフォーマンスとセキュリティは通常優れています。

導入を検討される場合、適用する事でクラウド側の費用がいくらかかるのかを確認するためにも一定期間試用される事をお勧めします。移設や新規購入・アップデートをご検討のお客様には、1CPUの30日間ライセンスを無償で提供いたします。 Mascotとクラウドコンピューティングについては、ブログ記事(英語版日本語版)をご覧ください。

お問い合せ

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