2024年5月号 (#114)

アメリカ・カリフォルニア州アナハイムで6月3日に開催されるASMSミーティングにて皆様にお会いできることを楽しみにしています。こちらのサイト[the Matrix Science User Meeting] にてお申し込みください。ブース番号219でお待ちしております。 ASMSでポスターや講演を発表される方でMascotを使用された方、是非ポスター番号、発表者名、アブストラクトをnewsletter@matrixscience.comまでお送りください。こちらのNewsletter で来月、皆様にご案内いたします。

今月の論文は、人工ニューラルネットワークを使ってサンプル前処理のワークフローを最適化した研究です。

今月のブログは、MASCOT サーバーの無料公開から25年間を迎えたマトリックスサイエンス社についてご紹介します。

Mascotニューズレターのバックナンバーはこのページ(英語版日本語版)からご覧いただけます。ご一読の上、ご意見・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

MASCOT : 25年間にわたり信頼を受けてきた、質量分析によるタンパク質同定のリファレンススタンダード

マトリックスサイエンスASMSユーザーミーティング

6月にアメリカ・カリフォルニア州アナハイムで開催されるASMSのブース#219にて、MASCOTの最新情報をご覧頂けます。是非お越しください。

また6月3日に開催されるASMSユーザーミーティングにも是非ご参加ください。参加費は無料ですが事前登録が必要です。人数に限りがありますので、お早めにお申し込みください。朝食もご用意しております。

6月3日(月)午前7:00~午前8:00
Room 213A, Anaheim Convention Center, Anaheim, CA

  • Preview of Mascot Server 2.9,
    Ville Koskinen, Matrix Science
  • Custom reporting with Mascot Distiller,
    Patrick Emery, Matrix Science
  • Automatically running reports with the Mascot Daemon Export Extender, Richard Jacob, Matrix Science

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人工ニューラルネットワークによる、常磁性ビーズを用いたペプチド切断プロトコルの改良とサンプル調整の自動化

Refinement of paramagnetic bead-based digestion protocol for automatic sample preparation using an artificial neural network

Sergio Ciordia, Fatima Milhano Santos, Joao M.L. Dias, Jose Ramon Lamas, Alberto Paradela, Gloria Alvarez-Sola, Matías A. Avila, Fernando Corrales

Talanta 274, 1 July 2024, 125988

著者らは、シングルポット固相拡張サンプル調製法(訳者注: single-pot solid-phase-enhanced sample preparation,SP3法)において、質量分析のためのタンパク質抽出と消化効率に影響を与える6つの因子を調べました。目的はHeLaプロテオームにおいてミス切断なしに同定されるペプチドの数を最大化する事であり、そのために、トリプシンおよびLys-C濃度、消化バッファーのACNの割合、消化時間、さらにビーズの量とSDSの割合を最適化する関数を見出す事でした。

研究チームは、上記因子の範囲を網羅する30の実験を行い、その結果を用いて人工ニューラルネットワークモデル(Artificial Neural Network model, ANN)を訓練し、ペプチド同定の数を最大化する最適条件を見つけました。ANNはすべての要因の組み合わせについて実験を行うことなく最適なパラメーターを予測することができました。

検証したところ、50μgのHeLa抽出物の消化に最適な条件は、2.5% SDS、300μgのビーズ、0.15μgのLys-Cと2.5μgのトリプシンによる長時間消化(16時間)となりました。これらの条件をOT-2自動化プラットフォームに適用したところ、ミス切断のない同定ペプチドの数は、自動ワークフローで36,614、マニュアルワークフローで36,708となりました。自動プロトコルは、ヒト血漿、シロイヌナズナの葉、大腸菌細胞、マウス組織皮質などの追加サンプルにおいても優れた再現性と低い変動性を示しました。

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

無料公開MASCOTサーバーの25年間

Illustration for Mascot

私たちは25年の間、MASCOTを公開サービスとして提供し続けてきました。1999年以来、非常に多くの方々により、延べ2,700万件以上のデータベース検索が実行されました。

このサービスを無料で提供できるのは、Mascot Serverに組み込まれたいくつかの機能が大きく関係しています:

  • 遠隔地での使用を考慮した設計 : 検索の送信、レポート、およびほとんどの管理業務は、ウェブブラウザを介して実行可能。
  • 完全自動化 : 一度システムをセットアップすれば、手動での管理はほとんど必要ありません。
  • 高価ではないハードウェアで動作可能 : 標準的なIntel/AMDサーバーであればMASCOTを運用可能。
  • システムへの依存が少ない- Windows、Linuxのどのバージョンでも使用可
  • ミスに対する耐性 : Mascotは無効な入力、欠陥のある入力、不完全な入力にも適切に対応。
  • Mascot Security : ゲストの同時検索のサイズとquery数に制限を適用し、誰もが公平に検索できるよう調整可能

公開されたMascot Serverは常に最新のバージョンを使用しており安心してご利用いただけます。もちろん、検索の自動化、大規模検索、配列データベースの追加、設定のカスタマイズをご希望の場合は、製品版 MASCOT Server をご購入いただく必要があります。

ハードウェアのアップグレードに関するニュースなど、詳しくはこちらのブログ(英語版日本語版)をご覧ください。

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

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電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

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